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とりあえずなオムニチャネル体験:デジタル注文から店舗受け取りまでの最適化

海外メーカーが日本のEC市場に「越境」ではなく「ローカライズ参入」を成功させるためには、オンラインとオフラインを統合したオムニチャネル戦略が不可欠です。とりわけ、ECやアプリでのデジタル注文(Click & Collect)と、実店舗でのスムーズな受取体験を連携させることで、顧客満足につながり、来店機会や購入頻度を高められます。



1. オムニチャネルの全体像と重要性

オムニチャネルとは、デジタルとリアルの顧客接点を統合し、一貫した顧客体験(CX)を提供する取り組みです。典型的なフローは「ECサイトで注文 → 店舗で受取(Click & Collect)」で、導入によって次のような効果が期待されます。

  • 最終マイル配送料や再配達コストの削減

  • 実店舗への送客による追加購入機会の創出

  • 顧客の受取利便性向上による購買障壁の低減

日本市場では、百貨店や郊外型モールなどの強固な実店舗ネットワークを活用できる点が強みです。この資産をうまく組み合わせることで、海外メーカーも日本の消費者に“体験”を提供できます。



2. 事例①:ユニクロ — オンライン注文から店舗受け取りへの導入

ユニクロ(ファーストリテイリング)は、オンラインストアでの在庫確認と店舗受取予約機能を導入し、ECと店舗を連携させる仕組みを整備しています(導入時期や機能は企業公式情報に基づく)。この仕組みにより、顧客は近隣店舗で商品を確実に受け取れるようになり、受取の利便性が改善されます。

実務上のポイント(概念)

  • 在庫連携を整備することで「注文したのに在庫がない」という事態を減らすことが可能。

  • 店舗受取をトリガーに、店頭での追加購入機会を創出できる。

  • モバイルアプリやWebの導線設計により、予約→来店→受取の体験を短く滑らかにすることが重要。

(注)導入効果を定量的に示す固有の数値(例:CVRが○倍、利用率が○%→○%など)については、公開された一次データが確認できないものがあるため、本稿では定性的な記述に留めています。参考情報として、ユニクロ公式のショッピングガイドや導入事例を参考にしてください。



3. 事例②:Sephora(海外事例) — 予約→最短受取のUX設計

海外の小売例として、Sephora はオンライン予約後に短時間で店頭受取ができる仕組みを運用しています。デジタルでの予約受け取りは、以下の要素で顧客体験を高めています。

  • 予約から受取までを通知(プッシュ/SMS)でつなぎ、来店準備を促進する。

  • 店頭ではQRコード等で受け取り手続きを迅速化。

  • 店頭受取者は、店内での追加購買に繋がる導線設計(陳列・販促)を用意しやすい。

(注)個別のCVRやAOV、ピックアップ時間、CSATといった具体数値については、企業ごとに公表の有無が異なるため、本稿では確認可能な情報に基づいて一般的な効果と設計要件を示しています。



4. 日本市場へのローカライズ要点(実装チェックリスト)

日本の消費者が重視する「細やかな気配り」「安心感」「快適さ」を満たすため、以下の点を優先してローカライズしてください。

在庫連携の精度と表示

  • EC/アプリと店舗POSの在庫連携を実装し、受取予約時に正確な在庫情報を提示する。

  • 店舗取り置きのステータス(例:取り置き中、店舗移動中)表示の運用を決め、誤認が発生しないUI設計にする。

受取通知と決済の互換性

  • 注文確定→受取準備完了通知(プッシュ/SMS/メール)を自動化し、受取期限や持参物を明確に伝える。

  • 店頭での受取操作はQRコードセルフスキャンやPOS端末で迅速に完了できるフローを整備する。

店頭での追加購入喚起

  • 受取カウンター周辺に関連商品の小型ディスプレイや試供品を配置する。

  • 受取時にアプリ内クーポンや限定プロモーションを提示し、次回購入の動機付けを行う。

ブランド体験の一貫性

  • オンライン広告・アプリ・店頭サイネージ・店員トークまで、統一したビジュアルとメッセージを維持。

  • シーズンキャンペーンや先行予約情報は、デジタル→店頭へシームレスに連携させる。



5. 成果測定と継続改善(PDCA)

KPI(サンプル)

  • 予約受取率:総注文に占める店頭受取選択の割合(定義を運用で統一)

  • 店頭追加購入率/AOV:受取来店での追加購買有無と平均購入額の変化

  • 受取完了時間:通知から実際の受取までの平均時間(UX改善の指標)

  • CSAT:受取体験に関する満足度調査(簡潔なアンケート)

分析と改善

  • EC・POS・CRMを統合したダッシュボードでチャネル別KPIを可視化する。

  • 予約導線の離脱ポイントはヒートマップやクリック分析で特定しA/Bテストで改善する。

  • 店頭運用に関する社員フィードバックと、受取後の短縮アンケート(3問以内)を運用に組み込む。


まとめ

ローカライズ参入に成功するためには、デジタル注文から店頭受取までを途切れなくつなぐ顧客体験が鍵です。技術的な在庫連携や店頭のオペレーション整備に加え、日本の消費者が期待する「速さ・正確さ・心地よさ」に重点を置いたUX設計を行うことで、実店舗とECが互いに価値を高め合うオムニチャネルが実現します。


まとめ:EC市場で「越境」モデルを脱却し「ローカライズ参入」を成功させる鍵は、デジタル注文から店舗受取りまで日本の想定なオムニチャネル体験にあります。モダスクリエイト


ケーススタディ – ユニクロモバイルアプリエクスペリエンス – Modus Createモダスクリエイト

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