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モール依存からの卒業──自社ECを育てて利益と顧客データを取り戻すステップ

  • 2月25日
  • 読了時間: 5分

なぜ今「モール依存」から抜ける必要があるのか

楽天市場やAmazonなどのECモールは、立ち上げ初期における集客や信頼獲得に非常に有効なチャネルです。しかし一方で、

  • 出店料・販売手数料・広告費の増加

  • 規約変更やアルゴリズム変更への依存

  • 価格競争の激化

  • 顧客情報へのアクセス制限

といった「自社でコントロールできないリスク」も年々大きくなっています。

特に重要なのは、顧客データを十分に活用できない構造です。モールではメールアドレスや行動履歴を自社資産として蓄積しづらく、顧客との関係性はモール側に帰属しやすくなります。

だからこそ今、モールは売上の一部メイン戦場は自社ECという発想への転換が求められています。



事例1:ナッツ専門店「小島屋」──好調期にこそ自社ECへ投資

東京・アメ横のナッツ専門店「小島屋」は、モール依存から段階的に脱却した代表的な事例です。

  • 2004年:楽天市場に出店し売上拡大

  • 2010年:自社ECを開設

  • 2014年時点:自社EC比率は約1%

しかし2014年、モールが好調なタイミングで「自社EC強化」に本格投資を決断します。

背景には、

  • 手数料負担の増加

  • 価格競争の激化

  • 顧客との関係性を自社で持てない不安

がありました。


2度のリニューアルで自社EC比率25%超へ

2014年と2020年に大規模リニューアルを実施。

2014年:

  • デザイン刷新

  • 基本機能改善

  • 購入しやすさの強化

2020年:

  • メルマガ設計

  • コンテンツ強化

  • ギフト提案

  • リピーター育成設計

その結果、自社EC売上比率は25%超へ拡大。段階的に「自社ECを育てる」モデルを確立しました。


学び

  • モールが好調な今こそ投資原資がある

  • 自社ECは「サイト」ではなく「事業設計」である



事例2:最北の海鮮市場──モール退店という決断

北海道の海鮮通販「最北の海鮮市場」は、約4年かけてモール比率を下げ、最終的に退店を決断した事例です。

理由は、

  • 価格競争の激化

  • 手数料負担

  • 顧客情報の制約


自社ECを「ブランドメディア」に再設計

  • 産地・漁・加工のストーリーを発信

  • 季節特集ページの強化

  • メルマガや同梱物でファン化

結果として、「北海道カニ通販」だけでなく「最北の海鮮市場」という指名検索が増加。


学び

  • モール脱却には数年単位の計画が必要

  • 世界観・ストーリー設計が鍵



事例3:LOWYA──自社EC比率50%超へ

家具ブランド「LOWYA」はモール発のブランドですが、自社EC強化により売上構造を転換しました。

  • 自社EC比率50%以上へ成長

  • ブランド名検索を拡大


取り組み

  • トレンド×低価格の明確なポジション

  • 情報量の多い商品ページ

  • SEOとSNS強化

  • コーディネート提案

モール露出ではなく、「LOWYAで買う」という指名行動を育てました。



事例4:北海道農産物EC──コンテンツで売上1.7倍

自社メディアで「生育日記」を発信。

  • 作物が育つ過程を公開

  • 購入後もメールで進捗共有

  • ファンとの関係性を構築

「今すぐ届く通販」ではなく**「育つ過程を共有する体験」**を提供。

結果、売上約1.7倍へ。



事例5:LION HEART──自社EC売上8倍

メンズアクセサリーブランド「LION HEART」は、

  • モール中心から脱却

  • 自社ECを世界観重視にリニューアル

  • Instagramと連動

その結果、8年間で自社EC売上約8倍へ。



自社ECを育てる5ステップ

① 売上と利益の「見える化」

  • モール別・自社EC別に粗利を比較

  • 手数料・広告費込みで利益差を把握

  • 3年後の自社EC比率目標を設定


② 自社ECの役割を定義

  • 本店

  • 旗艦店

  • ブランドメディア

役割を明確にすると設計が決まります。


③ 自社ECならではの体験設計

  • 会員ランク制度

  • ギフト提案

  • 名入れ

  • 限定セット

  • コンテンツ強化

モールでは表現しづらい価値を設計。


④ 自前の集客導線を構築

  • コンテンツSEO

  • SNS発信

  • メルマガ・LINE誘導

  • ブランド名検索を増やす施策


⑤ 顧客データ活用

  • CRM導入

  • One to One配信

  • サブスク・定期モデル

  • 購入後フォロー自動化



モールは「捨てる」のではなく「使い分ける」

成功事例の多くは、

  • モール=新規獲得

  • 自社EC=LTV最大化

という役割分担をしています。

重要なのは、どちらを主役にするかを決めることです。



まとめ

モール依存から卒業するとは、

  • 利益を取り戻すこと

  • 顧客データを取り戻すこと

  • ブランド主導権を取り戻すこと

です。

小島屋、最北の海鮮市場、LOWYA、LION HEARTのように、自社ECを「育てる」視点を持つことが、次の10年を支える戦略になります。




参考文献

future shop(株式会社フューチャーショップ)導入事例:ナッツ専門店 小島屋https://www.future-shop.jp/casestudy/

future shop導入事例:最北の海鮮市場https://www.future-shop.jp/casestudy/

future shop公式YouTubeチャンネル(自社EC強化事例紹介)https://www.youtube.com/@futureshop

LISKUL(株式会社ベーシック)ECの成功事例と自社EC強化の戦略解説https://liskul.com/

BrainPad(株式会社ブレインパッド)ECにおける顧客データ活用とCRM戦略https://www.brainpad.co.jp/

itsumo.(株式会社いつも)自社EC強化・CRM・LTV最大化に関する解説https://itsumo365.co.jp/

ebisumart(株式会社インターファクトリー)自社ECとCRM活用に関する事例https://www.ebisumart.com/

小島屋(有限会社小島屋)公式オンラインショップhttps://www.kojima-ya.com/

最北の海鮮市場(サンエイフーズ株式会社)公式オンラインショップhttps://www.saihok.jp/

LOWYA(株式会社ベガコーポレーション)公式オンラインショップhttps://www.low-ya.com/

LION HEART(株式会社ライオンハート)公式オンラインショップhttps://lionheart-shop.jp/

株式会社これから自社EC強化支援・導入事例https://corekara.co.jp/

ECマーケティング研究・支援資料future shop ECマーケティング資料https://www.future-shop.jp/

itsumo. EC成長支援ナレッジhttps://itsumo365.co.jp/


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