越境ECの新潮流:Tokyo Otaku ModeとBENTO&COのグローバル展開
- 20121007mail
- 6月20日
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1. 越境EC市場の成長背景
2025年には世界のBtoC EC市場が約7.39兆ドル、EC化率は24.5%に達すると予測されています。日本の越境EC市場も、2024年時点で約34億ドルから、2033年には約136億ドルへと成長が見込まれており、年平均成長率は約6.9%と堅調です。
日本発の商品カテゴリでは、アジア・北米・欧州向けにポップカルチャー、伝統工芸、食品などの分野で特に需要が拡大しています。
2. Tokyo Otaku Mode(TOM)のグローバル展開
2-1. 事業概要
Tokyo Otaku Mode(TOM)は2011年にFacebookページとして発足し、2013年から越境ECサイト「Tokyo Otaku Mode Shop」を開設。アニメ・漫画・ゲームグッズ等を海外市場に展開しています。
2-2. 実績・数値(修正済み)
販売国数:130カ国以上に配送実績
SNSリーチ:Facebookフォロワー約2,000万人のうち、99%以上が海外ユーザー
売上規模:公式には非公開。2020年時点で100億円を目標としていたが、最新の売上は推測ベースで記載されていたため、削除
主要市場:北米が最大、オーストラリア・中国を含めた4地域で全体の7割以上
中国戦略:Tモールグローバルで販路拡大。独身の日に大幅な売上記録
2-3. 成功要因
SNSマーケティングによるオーガニック集客
ライセンス取得による正規品販売体制
多言語・多通貨・現地決済への柔軟対応
自社オリジナル商品の企画や物流事業「セカイロジ」の運営も展開
3. BENTO&COのグローバル展開
3-1. 事業概要
2008年に京都で創業。日本の弁当文化を広めるために、弁当箱や和雑貨を越境ECで販売。
3-2. 実績・数値(修正済み)
販売国数:60カ国以上(2025年時点)
売上成長:2021〜2023年で海外売上が約80%増(社内発表に基づく)
商品展開:伝統工芸品・キャラクター商品(ドラゴンボール・ハローキティ等)を含む数百点
販売チャネル:自社ECのほか、京都の直営店と欧州中心の卸先150店以上
3-3. 成功要因
Shopifyと自社開発物流システム「Ship&co」による業務効率化
国際弁当コンテストでのPRとファンコミュニティ醸成
多言語・多決済対応:英・仏語のサイト展開、PayPal・カード決済対応
SNS・メールマーケティング:Facebookで8万以上のフォロワーを獲得
4. 共通の成功要因(修正済み)
項目 | Tokyo Otaku Mode | BENTO&CO |
販売国数 | 130カ国以上 | 60カ国以上 |
SNSフォロワー数 | Facebook:約2,000万人(海外比率99%) | Facebook:約8万人 |
年間売上高 | 非公開(2020年時点で100億円目標) | 非公開(2021–2023で海外売上80%増) |
顧客地域 | 北米中心、アジア・豪州含む | 欧米・アジア中心 |
主な販促手法 | SNS・動画・正規ライセンス | SNS・メール・国際コンテスト |
商品カテゴリ | アニメ・漫画・ゲーム | 弁当箱・和雑貨・キャラコラボ |
物流・システム面 | セカイロジ、決済・言語対応 | Shopify+Ship&co、多言語決済対応 |
5. 今後の展望と課題
競合環境の激化:SHEINなど新興越境ECの台頭により、差別化やブランド価値強化が重要
ローカライズの深化:言語対応や現地決済、配送スピードの最適化が求められる
文化発信の高度化:物販にとどまらず、体験型イベントやコミュニティ形成による価値提供が鍵に
まとめ
Tokyo Otaku ModeとBENTO&COは、日本の越境ECをリードする存在として、SNS活用・現地最適化・商品開発・物流改革など多角的な戦略でグローバルに展開しています。今後は、競争力のあるブランド作りと日本文化を伝える体験提供の両立が、越境EC成功の決定要因となるでしょう。
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