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オムニチャネルで売上10倍:ひよこカンパニーのリゾート連携EC

1. 事業背景と成長の軌跡

有限会社ひよこカンパニーは1994年、鳥取県で平飼い養鶏場を創業し、卵の通信販売を開始しました。2008年にはスイーツ専門店「ココガーデン」を開業、複合リゾート「大江ノ郷自然牧場」としての展開は段階的に進められ、宿泊施設は2019年に開業しました。現在、施設全体では年間36万人前後が訪れる人気スポットとなっています。

ECは当初補助的な事業でしたが、コロナ禍を契機に本格的なオムニチャネル戦略を導入し、2021年4月より本格稼働しています。

2. オムニチャネルの仕組みと導入効果

2-1 オムニチャネルの導入

「futureshop」のCMS「commerce creator」および「futureshop omni-channel」を活用し、店舗とECサイトの会員・ポイント情報を一元管理できる仕組みを構築。また、2021年5月25日には公式アプリをリリースし、ポイント連携やプッシュ通知、施設との連携を実現しました。

2-2 導入後の成果

  • EC売上高:オムニチャネル導入後、5年間で売上が約10倍に成長(業界記事・取材ベース)

  • 会員数:リニューアル前比で5倍以上に増加、導入2年で大きな拡大を記録

  • 来店・購買の循環:来場客が帰宅後にECで購入、またEC利用者が現地施設を訪れる循環が生まれ、リピート顧客が増加

  • マーケティングの最適化:会員データをもとに、ターゲティングされた販促・CRMが可能になった

3. 成功の要因と戦略

3-1 リアルとECのシームレス連携

現地体験とオンライン購買をつなぐことで、「体験→購入→再訪問」というサイクルを確立。アプリ活用やポイントシステムによって、顧客接点を多様化し、エンゲージメントを強化しています。

3-2 ブランドの世界観と商品開発

  • 鳥取の自然や農業の価値を伝えるコンテンツをEC・アプリで発信

  • 無添加、オーガニック、地元食材を活用したスイーツ・加工食品を多数展開

  • 季節限定・新商品を定期的にリリースし、リピーターを飽きさせない工夫

3-3 顧客管理の効率化

  • 会員情報と購買データを一元管理することで、CRMと定期購入の運用がスムーズに

  • プッシュ通知やクーポン配信により、施設利用とEC購買の両方を活性化

4. 学会的評価と今後の展望

  • 学術的意義:リゾート型体験を軸としたオムニチャネル戦略は、ブランドロイヤルティ向上と長期的顧客関係構築の成功事例として評価されている

  • データ活用:顧客行動履歴に基づくマーケティングで満足度と売上を両立

  • 今後の展望:AIによるパーソナライズ、グローバル展開、地域社会への貢献と持続可能性を両立した経営が進行中

5. まとめ

ひよこカンパニーが運営する「大江ノ郷自然牧場」は、オムニチャネル導入によりEC売上を5年で10倍に成長させ、リアルとデジタルを融合させた顧客体験を実現しました。ブランドの世界観発信、商品力、顧客データの一元管理など、多方面からのアプローチが成果を生み出しています。

この事例は、地域密着型事業者がテクノロジーを活用して持続的な成長を遂げた好例として、今後のECおよび観光連携戦略の参考になります。

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